News from Dajabón, DR

I hope to share my observations in Dajabón, situated in the northwestern part of the Dominican Republic, through this blog site. ドミニカ共和国の北西に位置するダハボン州、人口1.8万のダハボン市の様子を、このブログを通じて共有できたら嬉しく思う。 写真も少しづつ載せていきたい。 Check photos here

Thursday, November 23, 2006

振り返って


Cuando quiere llegar rápido, hay que caminar despacio.
速く目的地に着きたいときは、ゆっくり歩かないといけない。

村のおじさんにもらった言葉の意味が、頭でなく身体でもって、少し理解できるようになった気がする。

「今」が線状に存在する点と考えてしまう私に、まあまあ一息ついて、ちょっと立ち止まって、あまり明日を心配せず今というときをもっと楽しんでごらん、何も生き急ぐ必要はないんだよ、と教えてくれたのが、ダハボンとクラベジーナでの生活だった。

故秋野先生が言った人生においてやることのひとつに、
「今を身体をふるわせる位、楽しんだり感動したりすること」があった。私は将来のために蓄えたりすることは得意だったが、この今を味わうというのは意識も努力もしていなかった。そしていつも、過去と未来(将来)が「今」に絡み合って、今だけにどっぷり浸かることを妨げていた気がする。

ダハボンを去って一週間経つ。振り返ってみて、私が時間を共有したドミニカ人の多くは、情熱を(そりゃ40度もあればいやでも熱くなるって気もするけど)、生きていることを、身体全体で感じ取りながら今を過ごすのが上手だったなと思った。

いつも踊りを例に出してきて、踊りマニアになってしまったかと思われそうだが、ドミニカ人はBachataやMerengueを踊っているときも、ただ大げさに身体を縦横動かしているのではなく、脂肪燃焼を意識しているのでもなく、心の響きと震えをそのまま身体まで浸透させて、鼓動を表現しているかのような、その表現形態が踊りなのだ、と、日本の家で近所迷惑を気にかけながらボリューム大でバチャータを聴きながら思った。

開発プロジェクトのお手伝いで来ているはずの私が開発されてしまったようだ、と遊びに来た友人に言われたが、ある意味そうかもしれない。村に入っていって間もないころ、身体の何百億、何十兆という細胞一個一個が試されているような感覚になることがしばしばあった。なんなんだろう、と思ったこの現象は、今でもよく分からないが、この自分の内発的な開発プロセスの一環だったのかもしれない。


ダハボンで過ごす時間は寄り道だったのかなあと、ダハボンにいながら考えることがあった。 自分が企画したミーティングに15分たってようやく一人顔を出し、一時間後にスタートなんてざらにあったので、「待ち」にこの国に来たのか、とため息が出たり。

しかし寄り道には、予想外のものに出くわしてくれたり、発見があったりする。ダハボンでは、私が苦手な「ゆっくり」歩くことを余儀なくされたおかげで、意外なことに気付かされた気がする。これまで否定したり避けたりしていたことが、すーっと入ってきて理解できるようになるということもあるんだと。 ともかく、振り返ってみて今は、寄り道でもそうでなくても、人間の温かみ、人間らしさに満ちた2年弱のドミニカ生活に、ありがとうと言いたい。

3 Comments:

  • At January 10, 2007, Blogger Hiromi said…

    そういえば、この間一緒にキャンパス歩いたとき、「育子、歩くの早いな~」とは思わなかったよ♪

     
  • At April 26, 2007, Blogger Hiro said…

     全然、タイミングが遅い訪問ですが、思いついたので、checkしてみました。
     育子の指摘する"将来のために蓄えるvs今を楽しむ, 現在vs過去&未来”というテーマは、僕も長年考えていた事です。この点では(も?)、育子と僕はよく似ていると思います。でも、このDajabonでの2年間で、育子が"今を楽しむ”術を覚えた事を非常に羨ましく思います。
     と同時に、いつもいつも何かをpositiveに吸収するその頭の良さとflexibleな態度に感心します。僕も、育子みたいに素直になれればなと、つくづく思います。
     今は、もう新しい任地かな?
    by Hiro

     
  • At May 12, 2007, Blogger Unknown said…

    hiromi, そお?いっつも私のほうが歩くの速くて、hiromiを疲れさせちゃってたよね。確かにダハボンでは、早歩きをしていると、「何を急いでるんだ?」って顔で軒先に腰かけている人たちに見られたなあ。環境が急ぐ必要性を感じさせなくしてくれたのかな。

    hiro, ありがとう。ポジティブというのは性格かもー。ネガティブに捉えるよりも楽しく生きられるから:)
    今週からKenya西部で半年間働かせてもらいます!

     

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